" 漢方医学の基本的な原理 "

 ・ 漢方医学の基本的な
    原理

 ・ 漢方医学的に見る体質
   医学!
 ・ 漢方治療の効果がある
   疾患
 ・ 漢方医学に関する間
   違った常識!
 
 
 
漢方医学の基本的な原理

気血水、精気神、陰陽、表裏、寒熱、虚実といった漢方医学の基本原理を疾患の側面から考えてみましょう。

Q : 疾病の診断と治療に関する漢方の基本的な原理について教えてください。

A : 漢方では診断して治療するために陰陽、表裏、寒熱、虚実の「八綱」と気血水、精気神などの要素で定義して漢方特有の脈絡から生体全体の生理的なバランスを診断し、またこの原理にしたがって治療をします。すなわち漢方の治療は病気を直接治療する方法ではなく、体の誤った生理的なバランスを調節することで病気に勝つことができるように誘導する医学です。この原理は大変に複雑です。例えば「陰陽」一つを学ぶにしても1年以上がかかります。そのためここでは簡単に病的の状態を限られた範囲内で述べる事にします。

気 血 水 : 身体の構造や生理的な機能活動を三つの部分にわけます。その中のいずれに異常があるかどうかを判別して病気や不快な症状を漢方的な考え方で分類します。
   「気」 : 形は見れませんが活動しているエネルギー、つまり生命力で、西洋医学で言うところの神経活動(極めて一部分ではありますが)に例える事ができると思われます。これは精神活動、神経活動、呼吸、つまり生命のエネルギーに属する機能的な面を指し、病気的としての症状には上熱、面赤、頭痛、神経質、神経症などの気(病気的には'火'の病症)などがあげられます。
   「血」 : 血管に流れている血液自体だけを指すのではなく、血液、リンパ液、ホルモン等、水気を除いた液体として構造的な意味を持っています。疾患の症状としては代表的なものに?血(血液が不順で濁っており正常な流れを失った血)や、月経障害、肩凝り、痰、貧血、血虚などがあります。
   「水」 : 体液の状態を指す言葉で、水の異常(水毒)で機関や組職などに必要以上の水が停滞し、水分代謝が障害を受けた状態を言います。症状として腎臓病、心臓病、胃下垂(胃内停水)などが代表的です。西洋医学では心臓病と腎臓病を別の病気として扱いますが、漢方では互いに深い関係がある疾患として水分代謝の異常だととらえ同じ脈絡から治療し、同時に大きい效果を生みます。
精気神 : 人間の生命体を「精気神」、すなわち'形而上学'と'形而下学'、そして霊的世界に区分することで高次元の生命医学として発展ができるようにした精髓です。
   「精」 : エネルギーが高度に濃縮されて物質化した物を意味します。
   「気」 : 「精」の中に閉じこめられていた力が放出されながら起きるエネルギーの発現現象を言います。
   「神」 : 物質がすべて放出された状態の明かり(明)が集まっている'魂の複合体'を意味します。
この精気神をロウソクで例えて説明することができます。すなわちロウソク自体は'エネルギーが濃縮されている物質'として「精」にあたり、ロウソクの'火や熱気'は「気」に該当し、「神」はこの物質に蓄積されていたエネルギーと焼けて発生した熱気のエネルギーが和合して表出したその'明るい光の集まり'です。これもまた一つ一つの疾病として定義することができます。

虚実(虚証と実証) : これは病気の現時点で体力の実質的な忠実度を現わすものとして、体力に余裕がある場合を「実証」と言い、体力が衰えている状態を「虚証」、その中間体力を「虚実間」と言います。
虚実はただ体格だけで分類されるものではありません。背が高くて体格が良ければ実証である場合が多いのですがその中には脈が弱く、腹部が弛んでいて声も小さい実質的な虚症も意外に多いです。また、実証である方が虚症である場合よりもいつも強いとは限りません。

陰陽(陰証と陽証) : 陰陽は病気の進行状態を現わすものです。疾病というものは病毒と体力が争っている状態を言います。病気の初期には病毒より体力が優勢ですが、治療しなかったり、治療の效果がなければ次第に病毒が強まっていきます。病毒と体力の勢力がちょうど同等になるぐらいまでを含んだ前半部を陽(陽証期)、その後病毒の勢力が体力より優勢になる後半部を陰(陰証期)と呼びます。この陰と陽によって同じな疾患である場合でもその根本的な処方を変化させ対処する事ができるのが漢方医学の優れた面だと言えるでしょう。
陽の時期には病毒に対して積極的で攻撃的な処方を用いますが、陰の時期には衰えた体力を補強して病気に打ち勝つように体力を補ってくれる処方を選択します。

表裏 : これは病症が外側に近い所にあるのか、それとも内側の奥深い所に現れたのかを判別するとても重要な原理として発病進行の時間経過によって病気の程度を診察して治療するものです。
体の皮膚や筋肉、関節部位を「表」と言い、消化器など体内の深層部位を「裏」と言います。そして表と裏の中間部位を「半表半理」と言って肺や横隔膜部位がこれにあたります。したがって一般的な病気は表の症状から始まって半表半裏、そして裏というように進行していきます。
流行性の風邪の進行過程を例であげると、初期には頭痛、悪寒、発熱などの症状(表症)が現われ、進行すると咳や痰を伴う呼吸器症状(半表半裏症)がおき、さらに進行すると食欲不振、消化不良、むかつき、下痢、便秘などの消化機能の症状(裏症)に進展し、過程の観察を通してこれを理解することができると考えられます。

寒熱 : 体が「熱」であるか、「冷」であるのかという概念ですが、これの特徴は体温計に現われる体温の温度変化を意味するというよりは、人体が生理的に感じる冷たいか熱いかの概念により近いです。体温が低い場合にでも患者が「熱」を感じているのであれば「熱」に属し、逆に体温が高くても「寒」を感じているのであれば「寒」の概念に属します。
漢方医学でこの「寒熱」の概念はとても重要な理論として患者が「寒」をうったえているにもかかわらず、体温が高いからといって強力な解熱剤を投与すると抵抗力がさらに弱まってしまいます。このように漢方医学は人体を単純に各部分を診断して治療するのではなく、生きた生命体、つまりその患者の身体構造的な面と機能的な面は勿論のこと、その心理状態まで相互の類機能体系に作用すると考えます。漢医学は病気を治療する医学であると同時に生命を扱う哲学的な医学であると考えます。

 
 仁堂漢方医院は頭痛、にきび、アトピー性皮膚炎、スタミナ専門です。 ソウル市 江南区 駅三洞 832-3 永信B/D 501
TEL : 82-2-557-3906/7 FAX : 82-2-552-5344
E-mail : indang@zutuu.com